一般社団法人鳥取県地域教育推進局(以下、当法人)の顧問、廣田拓也は当法人と社会をつなげる活動を行う。
他の当法人のメンバーとは少し異なった立ち位置からともに活動を行う廣田さんは何を考えているのか。それを知るために、当法人HP部が廣田さんにインタビューをしてみた。
前編では、廣田さんの当法人でのかかわり方について聞いた。後編では、廣田が考える法人の未来や、理想の社会についてより深く語ってもらいました。

鳥取県地域教育推進局の未来と社会へ与える影響

―――廣田さんから見て、当法人はこれからどんな将来像を描いていくと思いますか?

廣田拓也(以下、廣田):法人で働く人たちの将来像という意味では、今の状態は田川さんの考え方に共感をする、教育に興味がある、鳥取に興味がある、といった要素があります。今後はそれに加えて、自分自身が成長できるとか、何か成し遂げたいことがある人たちが法人に関わっていき、法人で何をしているのかを自分で語れる。そんな集団になった方がいいなと思っています。

この法人は何かやったらお金を貰えるというよりも、自分が何かをやり遂げたいと思って関われる手段であって、人脈とか手段とか働く人たちが得られる環境になった方がいいと思っています。お金を稼ぐ場、というより、人とのつながりと信頼を稼ぐ、コトや経験を稼ぐ場というイメージに近いでしょうか。

法人が社会に対してどうかというと…現在は目に見えない仕事、だれもやらない仕事、つまりはお金が付いてこない仕事が多いですね。それはみんな必要だよねと思っているけどお金は払えない状態が(世の中には)たくさんあります。街の消防団などは、社会的には必要不可欠ですが、公共の仕事ですので報酬が支払われるわけではありません。他にも報酬が支払われない大切な仕事が沢山あると思っています。それを少しずつ当法人が担っていって社会からも「その仕事必要だよね」とか、「僕たちはお金じゃなくて何か力になれることで協力するよ」と言ってくれるようになったら良いなと思ってる。当法人を通じて価値の交換ができるようにしていきたいです。それがお金じゃなくても。

やりたいことと社会をつなげることの必要性

―――このインタビューを通して、価値の交換を進めていくべき仕事や人々はもっとあるのだと思うようになりました。廣田さんにとっての理想の社会はなんですか?

とある会社の話ですが、その会社では近年SDGsの対応にも力を入れており、事業活動の中で積極的に17のゴールに向けて活動を行っています。一方で、この会社が自社ビルを建てた際に、総務部の方々が近隣の公園を掃除する活動を取り入れたり、近くに勤務する方々との防災訓練に取り組んだりと、目に見えない、お金に直結しない仕事に取り組んでおられます。しかしこの活動は、社内では事業部門の人たちから「その仕事ってうちの会社にとって意味あるの?」と言われてしまうことがありました。

ここから見えるのは、その会社があるビルは地域の中にあり、地域と共に在ろうとする活動が価値のある仕事だと認識されている世の中ではなさそうだということです。

今は、資本主義の中でお金を生み出すことが社会貢献をしているという認識になっています。だからこそ僕は、お金以外にも価値を見出してそれを交換ができる社会になればいいなと思っています。

社会への偏った見方の補正と是正。世界を広げる環境へ

―――この記事を読んでくれる人に向けて最後に一言いただけますか。

廣田:当法人で一緒に仕事とかプロジェクトをやる中で、社会への偏った見方が補正・是正できると思います。

今、自分たちが見聞きし触れている社会の仕組みが、取りこぼしているものがあって、それを一生懸命なんとかしてやっている人たちがいる。それは見えない仕事かもしれません。それって意識していかないと気づくことはなく、さらには自分が見聞きしている要素だけで社会が出来上がっていると思ってしまいます。

ただ、当法人と関わることは、社会はもっといろんな要素がつながってエコシステムのように動いていることを意識するきっかけになると思います。それは政治家やお金持ちになることに直接つながるわけではないですが、自分に対しても世の中にも寛容になれます。変な人がいるとか、何言ってるか全然分からないよとか、それって自分の見方だけで判断をしているだけで、社会は色んなものでできているのだと認識をすることで寛容になっていくと思います。

東京がいいとか、地域がいいとか、絶対の答えがあるわけではなくて、ついつい私たちは自分たちの見ているものだけが社会のすべてだと思ってしまいます。ただ、意識して色んな社会に触れていくことで自分自身の生き方とか他者の生き方に寛容になれるのが、この法人に関わることで得られるものだと思っています。